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Curret Release: GridMPI-2.1.1 |
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PSPacer の概要PSPacer (Precise Software Pacer) は,専用のハードウェアを使うことなく ソフトウェアだけで,ネットワークの精密な帯域制御とトラヒックの平滑化を 実現します. IP 通信では,短時間に多くのパケットがまとまって送られるバーストトラフィックが 発生して利用可能な帯域を一時的に超えてしまうことがあります.すると, ネットワークの中間にあるスイッチやルータのバッファ溢れを引き起こし, パケットロスが生じるため,実効性能が著しく低下する可能性があります. PSPacer はバーストトラヒックの発生を抑えるために,利用可能な帯域に応じて パケットを等間隔に送信し,トラヒックを平滑化します(図1).このような トラヒックの平滑化をペーシングと呼びます.
従来から,ソフトウェアによるペーシング手法が提案されてきました.これらの 手法ではパケットの送信間隔を制御するためにタイマ割込みを使うため, オペレーティングシステムが高精度なタイマを管理する必要があり,プロセッサの 負荷が大きくなるため,実用化が困難でした. これに対して,PSPacer では異なるアプローチを採りました.それはパケット間に ギャップパケットを挿入することでパケットの送信間隔を調整する手法です. PSPacer では,ギャップパケットとして,IEEE 802.3x フロー制御で用いられる PAUSE フレームを用いています.したがって,ギャップパケットはスイッチ/ルータの 入力ポートで破棄され,その他のパケットが均等な間隔を保ったまま送信されます. PSPacer は Linux ローダブルカーネルモジュールとして実装されており, デバイスドライバに依存しません.さらに,インストールするために,カーネルの 再コンパイルは必要ありません. PSPacer の詳細については,論文を参照してください. PSPacer の効果遠距離広帯域通信において PSPacer の効果を実証するために,2台の PC を GtrcNET-1: プログラマブルネットワークテストベッドでつないだ WAN エミュレーション環境に おいて,iperf による バルク転送を実行し,そのトラヒックを観測しました. この実験環境では,ボトルネックリンクの帯域は 500Mbps (62.5MB/s),RTT は 200ms で,さらに GtrcNET-1 は 4MB のバッファを持つ TailDrop ルータをエミュレート しています. なお,各 PC のハードウェアスペックは,Intel Pentium 4 2.4GHz プロセッサ * 2, 2GB のメモリ(DDR400),NIC はオンボードの Intel PRO/1000 (82545EM) であり, OS として FedoraCore 3,Linux カーネル 2.6.11-1.14_FC3 が動作しています. なお,TCP 輻輳制御アルゴリズムとして,デフォルトの BIC TCP を使用しています. 次に示す二つの図は,PSPacer 使用,未使用時の実効帯域の比較を示しています. ここでは PSPacer のターゲットレートは 500Mbps すなはちボトルネックリンク帯域に 設定されています. 図中の青の折れ線グラフは,解像度 200ms の平均帯域,赤の棒グラフはより高解像度 (500us) で観測した帯域を示しています.
PSPacer なしの場合,通信開始から3秒後に,ボトルネックリンク帯域を越える バーストトラヒックにより,パケットロスが発生しています.この結果,送信側は 輻輳ウィンドウを小さくするため,帯域利用率は下がり,性能低下を引き起こして います. 一方,PSPacer ありの場合,パケットロスは発生していません.したがって, ボトルネックリンクの物理帯域をほぼ完全に使用しており,高く安定した性能が 得られています. [補足] 図2.1 からわかるように,デフォルトカーネルには,大量の SACK パケットを受信すると,その後の通信帯域の回復に時間がかかるという問題があります (詳しくは ここを見てください). そこで,Tom Kelly 氏による Scalable TCP 実装に含まれている再送ヒントを適用したところ,図2.3に示す ような改善が見られました.我々が使ったカーネル 2.6.11.10 向けのパッチは, ここにあります.
ソフトウェア配布PSPacer は GNU GPL ライセンスのもとでリリースされており, ダウンロードページから取得できます. さらなる情報は,リリース情報ページを 参照してください. 問題を発見した場合は,pspacer-users at m.aist.go.jp まで,報告をお願いします. ($Date: 2008/10/17 02:17:27 $) | |||||||||